20人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
全員が食べ終わると、1人また1人とキッチンを出ていく。
けど、出ていく寸前に誰もが笑顔で振り返り、
「おいしかった。」
と言ってくれるのは、本当に嬉しかった。
全員が居なくなり、朝食に使った皿洗いも終わらすと、握り飯を2つだけつくりゾロを起こす。
朝食を食べないのは体に悪いので無理やり食わせるためだ。
男部屋に行けばまだベットでゾロが寝ていたので迷いなく蹴りとばす。
「うぐぇっ…」
蛙のつぶれたような声を出してゾロが落ちた。
「…ってめぇ、クソコック!毎度、毎度嘗めた真似しやがって!上等だ、表へ出やがれ!」
痛みで強制的に起こされたゾロは不満を喚き散らしながら、飛び起きる。
「寝坊助マリモに栄養与えにきてやったんだ。ちったぁ感謝しやがれ。」
そんな、ゾロの態度は慣れたものなので俺は少し愚痴りながらも握り飯を渡す。
「ん、あぁ?飯か。もうそんな時間か?…ッテ!」
寝言を抜かすマリモの頭に蹴りを落として出口にむかう。
そして、部屋を出る前に一言。
「クソマリモが。もうすぐ昼だ。また寝んじゃねぇぞ。」
返事を待たずにドアを閉める。
そう、これもいつも通り。
例外なのは、不調を訴える体の痛みと目眩が段々耐えられなくなってきたことだろう。
最初のコメントを投稿しよう!