お前と俺の距離。

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「さて、まだ俺に用がある奴はいるかな?」 薄く笑いかけながら問いかける。 そこにいた奴等は顔を青くして去っていった。 ──ったく、勘弁してくれよ。 今日何度目かのため息がもれる。 「兄ちゃん、怖ェなぁ…その容姿であの蹴りは詐欺だぜ、詐欺。」 !! 「て、めぇ…」 振り向けば触れてしまうほど近くに、男がいた。 気配さえ感じれない。まさか、俺が背後をとられるなんて。 「んなに、驚くなよ…いやぁ、脅かすつもりはなかったんだがなぁ…」 ニヤリと男が笑って近づいてくる。 バッとさがって距離をとるが、男も一気に詰め寄ってきた。 「ッ、…てめぇ!なんのつもりだ!気色わりぃ!!」 怒りに任せて右足を振り上げる。 ガシ、 その振り上げた右足はいとも簡単に掴まれてしまった。 「いやぁ…だから、その蹴りはやめろって。まぁ、俺には効かないけどなァ?」 掴まれた足を引っ張られそのまま倒れ込む。 「ッガァ…」 男の膝蹴りが腹に直撃した。 ──くっそ… そのまま、俺の意識は薄れていった。
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