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中に入るといつもながら広い!
嫌、広いのは当たり前か。しかし質素だ。床も石橋みたいな感じと言うか石橋だ。絨毯(じゅうたん)もない。
財政が厳しいからって王の間の装飾や財宝ほとんどを売却した。残ったのは玉座だけ。
扉だけは豪華でもこれでは…と毎回思う。
その何もない広間に3人の男がいる。
「遅いぞ名雪将軍!」
こいつは4将軍の1人ラグン。4将軍の中では一番力が強く、筋肉は鋼のように固い。ちなみにハゲだ。そして何故か私を目の敵にしている。
「うるさいハゲ名雪将軍は全部隊の指揮をしていたのだ、遅れて当然だ。」
こいつはサリマン魔法使いだ。
魔法使いはこの世界に100人にもいない、ほとんどが魔術師と呼ばれるものたちでそいつらが強くなって魔法使いになるが魔法使いと呼ばれるには才能と努力が必ず必要だ。
しかし細い腕に白い肌に痩(こ)けた顔、魔法使いは何故こんなにひょろいのか。
また痩けた顔と目下の隅で何日も部屋に籠っていたことがわかる。
「ふん。軍人は10分前が基本行動だ。1分、嫌1秒遅れただけで部隊が全滅することがある。だから前もって・・・。」
くどくど長すぎる説教が続く、だからハゲるんだ。
「聞いているのか名雪将軍!」
「はいはい聞いてますよ~。」
「お前は!」
「まあまあラグン将軍も落ち着いて。」
4将軍の1人カラス。
私はこの男は嫌いだ。
メガネをかけていて顔は整っており、身長も高い。城の待女や町娘などからかなり人気があるが、私は肌に合わないと言うか生理的に無理だ。しかし相手は私のことはお構い無しに話をしてくる。
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