落城

6/12
前へ
/85ページ
次へ
「名雪将軍も以後気をつけるように。」 「以後があればな。」 部下からもらった情報を報告すると重たい空気が場を支配する。 「そろそろ主が来ます。並びましょう。」 私は左端に並ぶ 。 門のところからは、この部屋まで響くほどの声が聞こえきた。 「第1代フローレン国、アリエス・アルト国王」 「いいよ、カラス堅苦しい。」 「主よこれは、示しなのです。」 来た! 私が愛して止まないアルト。 愛は日々減少する? 否、私は、日々増大している! アルトは、女の私でさえ、ため息がでるほどの髪の瑞々しさ、長さは私と同じ、腰ぐらいまであり、あの青い瞳に見つめられると、呼吸も出来ない!・・・それは嘘だが。 「名雪将軍そんなに殺気を出さないでください。」 「カラス、そんなこと言っている場合か!」 アルトに私が殺気?あほか。 「そうでした。主、アリストエレスを主とする連合が、この城を包囲しました。」 ドーンと音と響くと同時に衛兵が入ってきた。 「報告、城門を突破され、城に敵兵が多数入り込みました。」 「ご苦労、君は持ち場に戻れ。」
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加