蛙の子は蛙。勇者の子は…

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「…びっくりしたぁ。どうしてバレたんだ…ろ…」 ふと頭を見上げると半液体の上半身だけの人間のような物が屋根についていた。 クイーンスライム(分身)である 「いやー。かくれんぼしてたら…ね?あ、さっきのはマスターに伝えておいぃぃぃ!?」 「お前のせいかぁぁぁ!」 クォーツはクイーンを掴むと荷馬車から放り投げた。 「…なにかあったか?」 「別に!」 前から声をかけられたが、クォーツはまた寝転がり、瞳を閉じた。 そして小さい山を越え、麓へと降りる頃には夕刻となっていた。 辺りはオレンジに染まった頃、荷馬車は止まりその振動でクォーツは起きた 「…んっ…ふああ」 小さくあくびをすると前からエルフが話しかけた。 「お…起きたのか。ちょうどつくぞ」 「え、そうなの?ありがとう…えっと…」 荷台から前に顔を出して礼を言おうとしたクォーツであったが、相手の名前を知らないことに気づく 「ジービッドだ。俺は通過のための手続きあるからここからは一人になるぞ。」 「大丈夫!」 クォーツは荷馬車から降りて辺りを見渡した。 周辺から隔離するために壁が作られたそこの周りには堀もあり、荷馬車はその堀を渡る橋に止まっていた。 そして都市の中央にいくほどに大きな建物が目立つ。 「ここから始まるんだ。ボクの、新しい生活が!」 クォーツは目を輝かせて中央に向かって走り出した。
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