蛙の子は蛙。勇者の子は…

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「なにこれスッゴい!」 立ち止まったクォーツの目の前には建物を囲むように塀で囲まれており、そして巨大な門がある その前には二人の槍を構えた赤と青の機族の門番がいた。 「おや新入生か?」 「うん!」 頷くクォーツ 「入学式は明後日のはずだ。何故来た」 「おいおい、寮生は一週間前から入れるだろ」 「そうか。寮生か」 拒絶しようとした赤に青がツッコミを入れた。 「「ではようこそ。新入生よ。コクマー学園へ!」」 二人が槍で門を小突くと、門がゆっくりと開いた。 門の向こうには桜色の景色が広がっている。 規則正しく真っ直ぐに並んだいくつもの桜の並木 舞うは桜の花びら 太陽光により輝くそこはまさに新たな新入生たちを歓迎しているかのようだった。 「わぁ…」 「ははは。それはうちの名物、新種の魔樹…魔桜だそうだ。バッドアップルと魔樹を掛け合わせたらしい。実る時期になれば面白いぞ」 笑いながら解説する青。 「まずはこの道を真っ直ぐ行き、校舎の事務室で受付をするといい。そうすれば寮に案内されるはずだ。」 赤がクォーツにアドバイスすると、クォーツはうなずく 「ありがとう!」 クォーツは手を振りながらまた走り出した。 「いやぁ…若いなぁ。俺もあんな頃が…ないな。うん」 「だろうな」 幼少なんて概念のない機族。 一人で完結してしまった青に、赤は同意した。
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