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「…殺す」
ぼそりとつぶやくクォーツ
「…殺すぞ貴様ぁぁぁぁ!」
殺気を込めて背後を向き、機鎧が振り下ろす拳に向かって殴る。
衝撃音と共に機鎧の右手はひび割れ、勢いよく、階段にそって吹き飛んでいく
クォーツはそれを走って追いかける
「うわあああ!」
追い付く度に機鎧を殴り、飛ばし、また殴る
何度も繰り返している度に、機鎧とクォーツはついに地上までたどり着く
「うらぁぁぁ!」
空高く機鎧を蹴り上げるクォーツ
ふと、先ほどとは風景が変わっていたことに気がついた。
城があったはずのそこはなにも生えない黒い更地になっていて、各所で爆音が響いていた。
クロコローチを討つため、世界から集まった軍勢だろうか、遠くに無数の人影が見えた。
だが、今のクォーツには関係ない。
今の彼女にとって、重要なのは目の前の敵だけだ。
機鎧はついに地上に着地した。
ボロボロにひび割れていながらも、原型は保っている
『最終調整開始』
「あ?」
クォーツが首を傾げていると、機鎧は真っ赤に輝き始めた。
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