50人が本棚に入れています
本棚に追加
人間は不意に予測していなかった事や信じられない光景を目の当たりにしたら俗に言うフリーズしてしまう様で。
ただいまの俺の事を言っている。
「なんだ。久々の感動の再会なのに、なに固まってるんだ」
声を聞き俺は我に変える。
「あ…え、と、久しぶり…いや!その前に!」
ああー駄目だ。言いたい事聞きたい事があり過ぎて頭がこんがらがる。
少し整理しようか。
俺は頭ふを掻きながら考えていると、
「なんだよ直人!こいつと知り合いなのか?てかこいつ誰だ!?」
相変わらずの通常運転の幸太の声が俺の整理中の思考に邪魔に入った。
「知り合いっていうか…一応親戚つーか…」
俺は認めたくねーがな…
「なんだよー、つれねーなぁ。」
とこの俺の人生の一大イベントを全て水の泡にしやがった本人、結城 慶太<ユウキ ケイタ>がニヤニヤしなら俺を見る。
この結城 慶太は俺の叔父に当たるわけでどう見ても36には見えないような風貌をしている。髪は少し短め。服装はそんなの何処で売ってんだよ、とツッコミたくなるくらい派手。ただそれを着こなすのがこのクソじじい。そして余り認めたくねえが、かなりの美形。
ぶっちゃけ結構詐欺レベル。
こんな条件が揃っていれば勿論女にモテる。
「てめぇ…俺の夢にまで見た青春ライフを…」
俺は慶太を睨む。
ああ…なんかもう…泣きたい。
最初のコメントを投稿しよう!