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「まあいい、あとは自分達の目で見てこい。百間は一見に如かず、だ」
と慶太に言われ、俺達は寮に向かうことにした。
慶太に学校の敷地内の地図を貰い(また手描きで描こうとしたから奪ってきた)書かれている通りの道を進む。
今回はちゃんと辿り着けそうだ。
そりゃそうか。
慶太の話によると、
寮の入口に入ると左に受付らしき所があって、そこに寮長さんがいるらしい。
その人に聞けば部屋の鍵を貰えるそうだ。
「なぁ…直人」
幸太が俺を呼んだ。
「ん?どうした?」
「部屋…同じだと…いいな…」
幸太は少し俯きながら俺に言った。
因みに部屋は二人部屋で、
それぞれの個人の部屋と共同の居間、キッチンや風呂からトイレまでやはり全て揃っているだと。
学生寮にしては金を掛け過ぎてないか?
まあ文句は無いが。
「あっはは、そーだな」
たまにはこいつも可愛いこと言うんだな。
俺は思わず笑ってしまった。
「っ!…お、う…」
一瞬こっちを見たかと思うとすぐに下を向いてしまった。
そして幸太の顔が一気に赤くなった。
そして雑談しながら歩いているうちに(幸太は下を向いたままだったが)寮らしき場所に着いた。
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