弐 禍福倚伏

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その少年らしき不審な男を見て俺は考える。 …どこからつっこめばいいんだ。 まずはその眼鏡はなんなんだよ!その眼鏡かけてる奴なんて日曜日の6時からやってる某アニメの「ズバリ!」って言ってる奴しか知らねーぞ。 しかもそれドン・○ホーテで買っただろ。 そして髪だよ髪。不自然過ぎるぞ。 しかもそのもじゃもじゃはなんだよ。 もう少しマシなカツラ選べよ。 …しかも少し金髪見えてるんですけど。 「おい!聞いてんのか!」 「うわ!ご、ごめん」 ツッコミ所満載で気を取られてた。 「てかお前こんな所で何してるんだ?」 お前から話しかけてきたんだろーが! いや、俺が先に気づいてたら多分話しかけてたけどさ。 「あーこれからこの辺にあると思う高校に行かなきゃいけねーんだけど」 不自然な髪の少年はぐるぐる眼鏡をかけていても分かる程顔がぱあっと明るくなった。 「お前もか!俺も蒼誠高校<ソウセイ>に行く所だ!」 「…そうせいこうこう?」 俺は首を傾げる。 「あれ?ちげーの?」 不自然な髪の少年も首を傾げる。 「そこって、全寮制の男子校か…?」 「そーだぞ!お前もなのか!?」 不自然な髪の少年は目をキラキラさせている。(見えなくてもなんとなく分かる。 「そーらしいわ」 不自然ryはいままでの二倍以上の声で 「よっしゃあ!!なら俺と友達になろうぜ!!」 「…は?」
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