弐 禍福倚伏

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「俺の名前は、鳴海 幸太<ナルミ コウタ>だ!幸太って呼んでくれ!」 バッと握手を求めてきた。というか勝手に手掴まれて強制的に握手。 これほど相手の事を考えない握手はされた事ありませんぞ てかちょっと待て。俺置いてけぼりなんですけど。 「おい!聞いてんのか!お前の名前教えろよ!」 おっとお坊ちゃんがお怒りだ。 「ごめんごめん。俺は結城 直斗だ」 一応ここは普段の営業スマイルで 「…っ…な、直斗だな!よ、宜しくな!」 幸太は少し顔を赤くする。 「おう、宜しくな。てか幸太、顔赤いぞ?大丈夫か?」 ずっと外出てたからか? 幸太は手で顔を隠しながら 「な、なんでもねーよ!ばーか!」 よし、そろそろ聞いてもいいよな?いいよな。 「そうか、ならいいんだが。まずその髪と眼鏡はどうした」 はい、これが言いたくて言いたくて仕方なかった俺をお許しを。 それを聞いた瞬間大げさにギクッと肩を揺らした。 本当にこういうリアクションする奴っているんだな。 てかもしかしてこいつ…バレてないと思ってた? 「え、え?な、ななななななんのこと?」 どうやら図星な様で。
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