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今では、捕まった当時の女性の音声が年に一回流れる。
『世界大パニック』終焉記念日だ。
「ふふ。どう?つかの間の平和は?
偽りとはいえ、こんなにつまらなく、幸せだったのはなかなかないでしょう。
私は捕らえられ、野望は最後まで達せなかったけど…。
たまには見上げてくださいよ、町の光に負け、雲に薄く隠れた月を。」
本来はこんなことするつもりは政府にはなかった。
しかし、女が捉えられた後にばらまかれた情報の中に『私の声はいつ届くのか』という一文が書かれていたそうだ。
それに気づいた国民が声を上げ、公表するように政府に押し掛けたのだ。
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