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深夜2時。
フラフラになりながら鍵をバッグから取り出す。
新歓で飲まされるって聞いてたけど、お酒って初めて飲んだから分かんないよね…
「…っ気持ちわる…」
思わず込み上げてくる吐き気に口を抑えながら、一気に玄関の鍵を開ける。
「…汚い」
玄関に散らばる靴と、最後まで悩んだジャケットが無惨な姿で丸めてあるのを見て一言。
あーーー女子力上げるって決めたのに!
…いや、日曜に片付けるよ自分。
そう思って納得しようとしている自分から、慣れないアルコールの匂いがしてることに顔をしかめる。
「…お風呂入る」
誰も聞いてないって分かってるんだけど、思わず言っちゃって寂しくなる。
電気をつけてまだ見慣れない自分の部屋を見渡すと、所狭しと大量にある段ボールの山を見て溜め息。
「段ボールまだこんなにあるじゃん…」
フワッと優しい香りがした気がしてベランダを見た。
「あ…開けっ放し。」
やっちゃったよー。不用心だわこれは。家出る時に気付かせてよ!
何の気なしに揺れるカーテンを睨んどく。
夜風が気持ちよくて、開けたままお風呂に向かった。
「あー…眠いよー」
呟きながらベッドに向かおうと電気をつける。
パチッ。
スイッチの音と共に私はフリーズしてしまった。
え?
「…どーやって入りましたか?」
目の前には美形男子。
あれ?お酒って幻覚見れちゃうっけ?
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