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「ラッシャイマセー」
自動ドアが開くと同時に、薄っすらとクーラーの利いたコンビニの中に入った。
六月の中旬、夏はこれからという時期に俺こと、神無月 勉(かんなづきつとむ)は、今のバンドメンバーから抜けようと決意していた。
綺麗に陳列された雑誌を横目に奥に進む。
さらに壁沿いに曲がると飲料コーナーで立ち止まり、どれにするか暫し考えた後、何時もの缶コーヒーを手に取った。
「はぁ」
思わずため息が漏れる。夜も更け、深夜のコンビニに寄りこれから話をする人物の事で頭が痛くなった。
勿論。相手は人間であるからして、決して会話の通じない相手ではないはずと腹を決めて相手を呼びつけるまでに至ったが。
「本当に来るのかな?」
無論。来ない筈はないのだが、少し怖気づいていなくも無かった。
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