プロローグ:ノッキン ユア ドア

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「アッツ」  コンビニを出るとまだ夏の始めと言うのに、異常なまでの蒸し暑さだった。体に纏わりつく湿気が不快指数を上げる事この上ない。  停めてあった自転車の前かごに買った物を入れ、ついでに買ったゴリゴリ君マンゴスチン味で頭を冷やす。  まだ時間はあった為、アイスが溶け始める頃に袋から取り出し一気に口に押し込んだ。 ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!   頭が一瞬にしてスッキリとする。やはり夏はこれに限るなと自己納得をすると待ち合わせ場所に向かい始める。  コンビニの向かいには国道が伸び、交通量は夜だというのに途切れる事がないほど大盛況だ。  国道を渡り、立体駐車場を通り過ぎると突然現れる林の様な光景こそ目的地の公園である。  自転車を公園の駐輪場に停める。この公園はとにかく広い、週末ともなるとマラソンの市民ランナー達が集うほどの規模だった。  ただ遊具がほぼ無いに等しかった為、公園と呼んでいいものかは定かでは無かった。 「反対から行けば良かった」  自分の失態が口から漏れた。園内は広い為入り口を間違えると、やたらと大回りしなければならない。  しかし、まだ時間には余裕があるので自転車の鍵をかけ、背負ったギターと先ほど買ったコーヒーを片手にチビチビと飲みながら公園の中へと進んだ。
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