575人が本棚に入れています
本棚に追加
地鳴りがした……。
何かと思い、慌ててその場から離れる。
そして、次の瞬間……目にしたのは。
傾く、アパート。
「は、はは……はははっ」
思わず、笑いが零れた。
空を仰げば、雨が降ってきた。
見開いた目で、雨がレンズに堕ちるのを見る。
やっぱり、僕は魔王なのかもしれない。
柄にも無く……だけど、この時は本当にそう思ったんだ。
しばらくすると、警察が来ていろんな対応に追われた。
そして、一段落した時に……。
僕は、その姿を目にする事になる。
「うそぉぉーーっっっ!!」
周りに響かんばかりの大声。
必死に何かを訴えながら、身を乗り出す。
まだ、逃げるつもりなの?
もう、無理だから……。
スッと伸ばした手。
その身体は軽く……。
あの時のまま。
「危ないから、下がりなさい、ミハネちゃん」
「ひゃあぁあぁぁぁっ」
最初のコメントを投稿しよう!