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「白浜には帰ってこないんだ?」
「さすがに同じ学校には戻れねぇだろ」
せっかくだからと近くの公園で少し話すことになった。
少し会わないうちに随分と大人っぽくなった飛呂。
私はきっと何も変わっていないのだろうなぁ…だなんて。
「戻れないじゃなくて戻りたくないんじゃないの?」
「…お前のことだから否定しても無駄なんだろ」
諦めたように力なく笑う飛呂。
腐れ縁かもしれないけど、それなりの絆はあると思う。
お互いのことを案外良く分かっていたりして。
そのせいで付き合ってるんじゃないの?とか噂も流れたけど、それは絶対にないと二人で爆笑したのも良い思い出。
理由は同じ、ぶっちゃけタイプじゃない。
「避けてた割にはオレのことよく見てたんだな」
「見守ってあげてたんだよ、バーカ」
飛呂だって私が避けてること知ってたのだからお互い様。
だったら、飛呂も知っていたはず。
自分が南波遥が好きなことを、私が気付いていることぐらい。
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