ダブ友

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飛呂と出会った翌日。 登校中、なんとなく視線を感じて振り返るが誰もいない。 こんな朝っぱらからストーカーなんて変態はいないだろうし。 「わ、わぁー!」 思い切って角で待ち伏せしてみると見慣れない女子生徒。 真っ黒で長い髪は二つに束ねられ、私より少し背が高くスタイルがいい。 「…何か用だった?」 人の顔を見るなり大声で叫ぶなんて失礼な奴。 「ごめんなさい、ごめんなさい」 ものすごい勢いでブンブン頭を下げられる。 …なんか私、いじめてるみたいじゃない? 幸い、辺りに人はいないみたいだけど良い気はしない。 「それで何?」 頭を下げるのをやめた女子生徒が泣きそうな目で私を見てくる。 ちょ、そんなに言い方怖かったかな。 よく無愛想だとか、近寄るなオーラ全開だねとは言われるけどさ。 「ま、迷子になっちゃったんですー!!」 「は?」 急に抱きつかれて大泣きされる。 無理やり引き離すこともできず、とりあえず背中をさすってやった。 しばらくすると落ち着いたようなので詳しく話を聞いてみると、どうやら白浜高校への転校生らしい。 初登校ということではりきっていたのだが(余計な説明が多かったが要約するとこんなもの)、はりきりすぎて迷子になってしまったらしい。 それで同じ制服を着た私をこっそりつけているとバレて、怒られると思ったらそうでもなくて安心して泣いてしまった。 ため息をつきたいのを我慢して一緒に学校へ行くことにした。
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