ダブ友

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彼女の名前は桐葉(きりは)サユキ。 職員室につくまでひたすら話し続けた。 あれもこれもどうでもいい話ばかりで、だけど聞き流すと怒るため適当に頷いておいた。 送り届けた頃にはかなり疲れがたまっていた、まだ朝なのに。 とんでもない子に出会ってしまったな、だなんて… 「エイルちゃん、よろしくです!」 朝のHRでさらにビックリ、同じクラスだった。 しかも、私を見て嬉しそうに声をあげるものだから担任の気遣いで隣の席。 クラスになじむまでよろしくとのこと。 私自身クラスに馴染んでないなんて言えるはずもなく、面倒なお世話係を押し付けられてしまった。 「さっそくお友達ができて良かったです。実は私、ダブってるから浮いちゃったりしないか心配だったんです」 「え?」 今、ダブってるって言った? 「わ、私もダブってるのだけど…」 「そうなんですか!?運命の出会いですね、末長く幸せになりましょう」 …誰だ、コイツに変な言葉遣いを教えたのは。 でも、まぁいいか。 サユキといたら退屈しないだろうし、むしろ楽しいかも。 「こちらこそよろしく」 「はい、私たちダブ友ですね」 いや、やっぱり疲れるかも… だけど、本当に嬉しそうにサユキが笑うから私もおかしくなって笑った。
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