ダブ友

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昼休み、昼食を忘れたというサユキを連れて食堂。 さらに財布まで忘れたというものだから仕方なく奢ってあげた。 「そのお弁当はエイルちゃんが作ったんですか?」 「ううん、お母さんが作ってくれてるんだ」 ずっと気になっていたサユキの敬語は癖でどうしようもないらしい。 敬語が癖か…、いいとこのお嬢さんなのかな。 「あれ?何の薬ですか?体調悪いようには見えませんけど」 食後、いつものように薬を飲もうとするとサユキが聞いてくる。 「あー、えーっとね…」 どう話そうかと考えているとサユキの瞳がうるうるし始める。 こ、今度はどうしたのかな。 「ご、ごめんなさい。余計なこと聞いちゃって。私、すぐ余計なことばかり聞いちゃうんです」 ふと今朝の出来事を思い出す。 何度も頭を下げて謝って来たサユリ、なにかに怯えているように見えないこともないけど… 考えすぎだよ…ね? 「こんなこと聞かれるの初めてだったからどう話そうか悩んでいただけ、怒ってるわけじゃないよ」 「そ、そうなんですか。良かったです」 アハハと笑ったサユキだが、その瞳からは涙がこぼれる。 「私の顔色なんてうかがわなくていい。私たちダブ友なんでしょ?」 「そ、そうですよね。…えと、あの、その…ありがとう」 笑いながら泣くサユキにハンカチを差し出し、私は薬をのみ込んだ。 サユキが何かを抱えていることは分かった。 それが何なのか、私にはわかるはずもないけど。 私がそばにいるだけで笑ってくれるならこうしていよう。 心の病に悩んだ私だから分かることだってある。 痛みでさえも経験にしていくって決めたから。
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