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「俺も千秋も、お前を縛った覚えはないぞ。
それに、俺達は、いつだって、お前の意思を尊重してるつもりなんだがな…。
強要したり、押し付けたりは、してないはずだ。
もし、してるっていうなら、お前が、そう感じるなら、言ってくれ。」
「…そんなことは、思ったことないけど…。」
「なら、ごちゃごちゃ言うな。男だろ。
陽菜が、高いところ入れられなくて、困ってるぞ。」
「あっ!ごめん、陽菜!…かして、入れてあげるよ。」
やれやれって顔で、私を、見るから、私も、肩をすくめて、仕方ないわよって顔をした。
そのあとは、光輝も、ちゃんと、手伝ってくれて、割りと早く、準備ができた。
夕方、最初に来たのは、海斗だった。
それを皮切りに、有希と夏樹、絢音と琴音の姉妹、昌浩が来て、最後は、梢だった。
「…千秋叔母さん、これ、ママから、預かってきたの。
いつもの珈琲豆と、ローズオイルとエッセンス。
後、みんなで、食べるようにって、輸入物のお菓子だって。」
「ありがとう。いつも、早苗ちゃんの選ぶ品は、良いのよね。助かるし、勉強になるわ。」
「あれ?…彩ちゃんは?」
「ええっとね…、彩華は、部活なんだけど…。
それがね、帰りに、ひとり連れてくるのよ…。」
「千秋叔母さん、歯切れ悪いなぁ…わかった!彩ちゃん、男の子、連れてくるんでしょ。」
「…そうなのよ。…やっぱり、バレちゃう?恋する乙女には。」
「あれ?…千秋叔母さんには話してませんよね?」
「うん、なんにも聞いてないわよ…でも、わかるのよ。
恋してる乙女のことはね、なんでもわかるの。
なんてったって、私は、恋愛小説家なのよ♪」
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