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次のSAの表示が見えてきた…奏多先輩は、誰も停めてないような、駐車場の一番外れに、車を、停めた。
「はぁ…。頼むよ…彩華…。
運転してる真ん中でさぁ、あんな爆弾発言するなよな…。」
「ごめんなさい…私は…私は…。」
震えてる声に、奏多先輩は、気付いてくれる。
「彩華、泣くなよ。
俺は、彩華を、責めてんじゃないからな。…それから、怒ってるわけでもないからな。
ただ、いきなりだからさ…思考がついていってないんだ…悪い。」
「…いいんです…。私、断られるの覚悟してるから。
迷惑ですよね、こんな、私の気持ち。
…先輩のことだから、彼女いますよね…きっと。
本当に、すいませんでした!!」
「謝ることないよ…俺、今、彼女いないから。」
「えっ…。」
「フラれた…去年の事故のあと…。」
「嘘っ!?…でも、どうして…?」
「あいつは、俺の中身に、惚れてたんじゃなくて…俺の将来性とか、才能に、好意を持ってただけなんだよ。
…だから、事故で、この手が、動かなくなる可能性が高いって、医者から、聞いた途端に、切り捨てられた…。」
「酷い…。」
「俺に、女を見る目が、なかっただけだよ…。
それとさ、この答えは、少し待ってくれないか。
即答は、したくないんだ…真面目に、考えるから…いいかな?」
「…本当に、真面目に考えてくれるの?…なら、我が儘は、言わない。」
「お詫びじゃないけど…夏休みが、終わる前に、どこかへ遊びに行こうか?連れていってあげるから、場所考えといてよ。ねっ。」
私には、その言葉だけで、十分だった。
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