真夏の台風

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「はい、頼まれたやつ。これだけあれば、足りる?」 バーベキューに使う材料の追加を、光輝に頼んでいたらしく、ドサッと、買い物袋を、キッチンに置いてくれる。 「叔父様、私は、何を、しましょうか?」 「じゃあ、悪いけど、買ってきたやつを、一旦、冷蔵庫に、入れてくれるかな。」 「はい♪」 光輝と一緒に、買い物に出てくれていた陽菜は、準備を手伝ってくれるようだ。 「光輝…だれてないで、陽菜ちゃんを見習いなさい。」 「了解…だけどさぁ、なんで、家の妹君は、いないわけ? あいつも、手伝うべきだろう?」 「…ダメダメ、当てにならないわよ。今のあの子は。」 「なんでだよ、母さん。」 「顧問の先生から、来月のフルートのコンクールに、出るようにいわれたんですって。 だから、今日も、部活なのよ。」 「朝からなら、そろそろ、帰ってくるだろ、やらせろよ。」 「部活終わったら、フルートの君の会社の前で、待ち伏せらしいわよ。 捕まえて、引っ張って来るんですって。」 「なんで、連れてくんの?」 「なんではないでしょ…あなただって、夏樹君、誘ってるでしょ。 彩華ね、彼に、夏休み中に、遊びに連れていってもらう約束してたのが、流れちゃったらしいのよ。だから、穴埋めしてもらうんだって言ってたわよ。 本当に、甘酸っぱいわね♪…青春してるって感じ♪」 「あいつばっか、楽してる気がすんだけど? 俺の貴重な青春は、どうでもいいの?」 「そんなこと思ってないわよ。 ただね、彩華のことは、もう少しだけ、あの子の好きなようにさせてあげて欲しいのよ…。 まだ、しっかりと自分の道を選びきれてないんだから…。」 「本当に、手間の掛かるやつだよ…わかったよ、俺は、俺の自由な範囲で、やりたいようにやるよ。文句ないよね?」 「今更なことを、千秋に、約束させるな光輝。」 ほどよいタイミングで、彰が、フォローを入れてくれた。
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