真夏の台風

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「女子高生を馬鹿にした、あの年増ババアに、目にもの見せてくれるわ!!」 「やめとけよ…奏多が、迷惑するだろう…。」 「まあ、こんな感じで、彩華が、ぶちきれそうになっちゃったし、いい加減、俺も、腹立ってきたから、彼女に、大人気ないことするなって言って、彩華を引っ張って、改札の方へ、行ったんだけど…。 声が追い掛けてきてた…。 『…そんな中身のないやつに、くっついてたら、損するわよ。 ああ…ガキで、お子ちゃまには、わからないわよね、そんなこと…。』 彩華は、物事のわからない小さな子供じゃないのは、俺が、一番知ってる…俺なんかより、ずっと、しっかりした考え持ってるよ。 知ってるからこそ…悔しかった。 あいつに、一発喰らわしたかったけど…、そんなことする価値もないかなって…。」 「殴っちゃえばよかったのよ、あんな女!」 「彩華…もうちょっと、大人になれよ…。 そんなんだから、子供だって言われんだぞ。」 「だってぇ~」 「腹立つからって、殴るのは簡単だけど、その後のこと考えないとダメなんだよ。 それを、考えられるのが、大人。」 「…ぶぅ~…お兄ちゃんに、そんな風に、お小言言われるなんて、思ってなかったわよ。」 「なんで、そこで、膨れるかなぁ…。」 タイミングよく、陽菜が、焼けたバーベキューを、皿に乗せてきた。 「お待たせ。はい、どうぞ。…えっと、飲み物どうします?」 「奏多は、飲める?」 「それなりに…。」 「じゃあ、陽菜、ビールね。俺の分も。」 「わかった。彩華ちゃんは?」 「コーラ…ある?」 「あるよ、持ってくるね。」
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