薔薇の約束

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「母さん、話が、脱線してるって。」 「あら、ごめんなさい。彰、続けて。」 しょうがないなって顔を、父さんはしてから、また、話始めた。 「奏多君との約束だったからね、俺は、彼がすることを許可したし、見届けてきた。 彩華に、プロポーズしたよ、奏多君は。」 「えっ!?父さんの前で!? それで、彩華は、なんて答えたの? ああ、聞く必要もないか…。 今、彩華が、ここにいないってことは、そう言うことだよね。 そっか、奏多…俺の義弟になるのか…。」 「感慨に耽ってるところ、悪いがな、話の続きがあるんだが…。」 「ああ、ごめん、どうぞ。」 「彩華は、プロポーズを受けたし、俺達の反対もない。だけど、そのまま、勢いだけで、結婚させても、うまくいかないだろう…それで、意地が悪いと思われるかもしれんが、条件を出した。 まあ、条件って言っても、小難しい条件じゃないからな。 たったひとつ。結婚は、彩華の卒業後。 二人は、早く結婚したいだろうけれど、彩華は、将来を見据えて、今の大学に入ったばかりだ。だから、まずは、学業優先しろと言った。 結婚は、慌てなくてもできるんだから、卒業までに、準備を少しずつしていけばいい。…簡単だろう、この条件なら。」 「そうだね、難しいことじゃない。」 「二人は、条件を、飲んだからな。俺達は、二人のために、やれることを、やってやらないとな。 正式な結納を結んで、婚約させてやろうと思うんだ。近い内に、奏多君のご両親に会ってくるよ。 光輝、二人が、迷っているときには、相談に乗ってやって欲しいんだ。黙って、話を、聞いてやるだけでもいいんだ。 …頼めるかな?」 「大したことは、出来ないけど、それくらいなら任せといて。」 父さんは、俺の答えを聞いて、優しく微笑んだ。
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