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彩華の綺麗に結い上げてあった髪は、ほどけて、ぐちゃぐちゃになっていたし、情事の後ですって、誰が見てもわかるくらいに、服も乱れていた。
どこかで、身だしなみを整えてやらなくちゃと、考えていたら、彩華が、耳元で囁いた。
「奏多…あのね、社会勉強しに行こう、今から。」
「どこへ?」
「ラブホテル…。」
「あのさぁ、そこ、なにするところか、わかってるよな、彩華?」
「わかってるよ。今だから、言ってるんじゃない。
理由その1、奏多とちゃんと、向き合って、ちゃんとした場所で、愛し合いたい。
理由その2、行ったことない場所だから、行きたい。
理由その3、このままじゃ、帰れないよ…恥ずかしくて。
そこなら、お風呂も、髪を乾かすドライヤーとかも、あるんでしょ?
ねっ、行こうよ。」
彩華って、こんな押しが強かったっけ…。
「彩華を、そんな姿にしちまったのは、俺だもんな。
お詫びと責任は、とるよ…だけど、今日だけだからね、こんなお願いをきくのは。
会うたびに、こんなことしてたら、俺、破産するからね。」
「は~い。」
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