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原宿の駅前は、相変わらず人が多かった。
ざわつく雑踏の中、待ち合わせ場所で、立っていると、何度か、男の子に声を掛けられた。
「ごめんなさい。待ち合わせ中なの。」
それでも、しつこい人には、指輪を見せる。
「彼、ヤキモチ焼きだから、遠慮してくれない?」
はぁ…なんだろう…?
いきなり、モテ始めた感じだ。私には、さっぱり訳がわからなかった。
溜め息をつきながら、顔を上げると、親友の蘭と有紗が、彩華を見つけて駆けて来る姿が見えた。
「彩華ぁ♪待ったぁ?」
「ごめん、電車乗り遅れちゃった。」
「ちょっと待ったかな…でも、まだ、約束の時間まで、5分あるよ。
だから、二人とも、謝らなくていいんだから。」
この前、二人が、誕生日のお祝いをしてくれるって、言ってたのに、私が、日を変えてって、無理をいったのだ。
今日の目的は、美味しいパフェを、食べること。
お店は、待ち合わせ場所から、10分とかからない場所にあって、女の子が一杯いたから、すぐわかった。
蘭は、時々、ここへ来ているみたいで、
「相変わらず、混んでるなぁ…。」
と、言っていた。でも、混んでいると言う割には、順番は、早く回ってきた。
案内されたテーブルで、蘭が、パパっと仕切っていく。
「このパフェが、一番人気で、一番オススメなんだ♪」
フロアの店員を呼ぶと、すかさず注文する。
「すいません。スペシャル・ストロベリーを、3つお願いします。」
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