薔薇の約束

37/39
前へ
/806ページ
次へ
「彩華、その指輪、綺麗だね。誕生日にもらったの?」 「これ、誕生日祝い、兼、婚約指輪。」 「エエッ!?婚約指輪って、相手は、勿論、奏多さんよね?」 「クスクス。他に誰がいるのよ、蘭。 この花ね、薔薇なのよ。薔薇は、6月の誕生花なんだって。 誕生花って、月毎の12の花の他に、毎日…つまり、365の花があるんですって。 私は、どっちも、薔薇だから、2輪なんだって。」 「小松崎先輩、キザだね、やることが。 でもまあ、先輩なら、様になるか…。」 「私の誕生花なんだろう?」 「クスッ。大丈夫よ、蘭。田崎さん、奏多に、この話を聞いたら、速攻で、調べてるはずだから。」 「えっ?なんで?」 「去年、サファイアのネックレス、もらったでしょう?」 「もらった。」 「あれ、誕生石でしょ。誕生石のプレゼントにしたのは、奏多が、これ、私に、プレゼントしたの聞いたかららしいわよ。」 そう言って、彩華は、自分の誕生石の付いたブレスを、チャラチャラやってみせた。 「この石、6月の誕生石、アレキサンドライトなのよ。 同じものでも、形は、人それぞれ。誕生日まで、楽しみにしてて、きっと、素敵なプレゼントくれるわよ、田崎さん。」
/806ページ

最初のコメントを投稿しよう!

380人が本棚に入れています
本棚に追加