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コホコホ…
夏風邪を、ひいたらしくて、小さな咳が、何度も続く。
参ったなぁ…締め切り、間近なのに…。
熱でも出たら、どうしょうか。嫌だって言っても、彰に、ベッドへ連行されちゃうわ。
それまでに、1頁でも多く、書いておかなくちゃ。
カチャカチャカチャ…
千秋は、自室の執筆スペースで、必死に、キーボードを、打っていた。
身重の陽菜は、悪阻の酷い吐き気に、まだ襲われることもあったが、少しずつ体調が、落ち着いてきたらしくて、ここのところ、前のように、家事をやってくれていた。
そのおかげで、千秋は、こうやって、本来の仕事を出来るのだけれど、この数日、体が重いし、咳も、段々酷くなっていた。
彰に、ストップをかけられたら、体調が戻るまで、一切、仕事はさせてもらえない。それは、困る…。
カチャカチャカチャ…
カチャカチャカチャ…
カチャ、カ…
一瞬、目の前が、真っ暗になる。
「あっ…」
私は、そのまま、机の上に、崩れ落ちた…。
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