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「あれ、叔母さん、もう帰るの?」
大学から帰ってきた光輝は、香織と、玄関で出会った。
「おかえりなさい。光輝。
ゆっくりしたいんだけど、まだ、やることが、残ってるから、帰るわね。
そうそう、あなたが、ジェイクに頼んでた本、彼から、預かったから、持ってきてあげたのよ。」
「ジェイクさん、日本来てたの?」
「一昨日来て、今朝、帰ったわ。
仕事だから、バタバタしていて、光輝に会いに行く時間がないって、ボヤいていたけれどね。
次に来る時は、Jr.やサラも連れてくるって、言ってたわよ。」
「わかったよ。それで、本は?」
「陽菜ちゃんに預けてあるわ。」
「Thank You。よし、これで、論文に厚みが、つくな。」
「論文書いてるの?」
「卒院の必須条件だよ、論文は。それに、きちんとした論文出せなきゃ、学会で認められないからね。」
「研究畑に進むのね。」
「うん。折角、好きなことやらしてもらってんだから、とことんまで、やらせてもらおうと思ってさ。
とりあえず、教授の助手を、来年の春から、やらせてもらうことになってるからね。
とにかく、今、出来ること、精一杯、やらないとね。
これでも、一応、親父になるんだからさ。」
「そうね、頑張らないとね。」
優しい笑顔で、香織は、返した。
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