薔薇の約束・Ⅱ

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「あれ、叔母さん、もう帰るの?」 大学から帰ってきた光輝は、香織と、玄関で出会った。 「おかえりなさい。光輝。 ゆっくりしたいんだけど、まだ、やることが、残ってるから、帰るわね。 そうそう、あなたが、ジェイクに頼んでた本、彼から、預かったから、持ってきてあげたのよ。」 「ジェイクさん、日本来てたの?」 「一昨日来て、今朝、帰ったわ。 仕事だから、バタバタしていて、光輝に会いに行く時間がないって、ボヤいていたけれどね。 次に来る時は、Jr.やサラも連れてくるって、言ってたわよ。」 「わかったよ。それで、本は?」 「陽菜ちゃんに預けてあるわ。」 「Thank You。よし、これで、論文に厚みが、つくな。」 「論文書いてるの?」 「卒院の必須条件だよ、論文は。それに、きちんとした論文出せなきゃ、学会で認められないからね。」 「研究畑に進むのね。」 「うん。折角、好きなことやらしてもらってんだから、とことんまで、やらせてもらおうと思ってさ。 とりあえず、教授の助手を、来年の春から、やらせてもらうことになってるからね。 とにかく、今、出来ること、精一杯、やらないとね。 これでも、一応、親父になるんだからさ。」 「そうね、頑張らないとね。」 優しい笑顔で、香織は、返した。
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