薔薇の約束・Ⅱ

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しばらくして、すっかり元気になった千秋は、温室へ行きたくて、うずうずしていた。 「ねぇ、まだ行っちゃダメなのぅ?」 「明日まで待てよ。」 「なんでぇ~?もう、だいぶ待ったよぅ。」 「明日、咲きそうなんだ、千秋に、一番見せたかったやつが。」 「…仕方ないなぁ…明日まで、待ってあげる。 その代わり…だめぇ?」 「『だめぇ?』って、何がだよ…ちゃんと言わないと、なんにも出ないからな。」 「意地悪ぅ…」 「その意地悪さんが、お気に入りなんだろ?」 「そうだけど…。」 「ほら、言えよ。」 わざと、焦らすんだから…わかってるのに…。 「待ってあげるから、キスして!」 「はい、よく言えました。じゃあ、遠慮なく。」 ふわっとしてるのに、濃厚な、癖になるようなキスを彰は、いつもする。だから、また、したくなる…。 何度もしてる内に、その先をしたくなる、そんなキス…。 他の人じゃダメなの。昔、愛したあの人でも、無理…。彰じゃないとダメな体になってる。 「どうした?」 「私、やっぱり、彰なしじゃ駄目なんだなぁって、自覚したの。」 「今頃か?」 「いいじゃない。いつ思ったって。」 「まあ、いつでもいいけどな…。」 「なぁに、その不服そうな顔は?」 「自分で考えろよ…。」 「ええっ…ねぇ、なんで?なんで?」 「知るか。」 「彰~ぁ、機嫌直して~ぇ。」
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