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「別に、怒ってるわけでも、拗ねてるわけでもねぇよ。」
「嘘…じゃあ、何で答えてくれないの?」
「今更、答えることでもないだろうが…。」
「ぶぅ~」
「おいおい、なんで千秋が、ぶうたれるんだ?
本当に、こういうときの千秋は、面倒臭いなぁ…わかったよ。俺が、悪かった。これで、許してくれよ。」
千秋を、そっと抱き締めて、思い切り優しい柔らかなキスをする。
「機嫌直せよ。」
「だって…彰が、悪いんだからね。」
「ああ、俺が、悪いな。」
もう一度、ぎゅっと、抱き締めてやると、千秋は、体を預けてきた。
「ベッド…」
「仕方ないなぁ…。よいしょっと。」
フワッと抱き上げて、ベッドまで運んでやると、思いっきり、首根っこを、引っ張られた。
「うわっ!!」
思い切り、のし掛かり体勢だ…。
「しよっ♪」
「千秋さん、今ですか?せめて、夜まで待てませんかね?
俺はね、別に構わないんですけどね…。
わが息子と身重の若奥さんが、ひとつ屋根で、いろいろ我慢してんですよ。
それ知ってて、真っ昼間から、いちゃつくなんてね…親としては、ちょっと考えもんでしょう。
だから、やりたいけど、やれませんよ。」
「正論過ぎる~ぅ。反論できなくなるでしょ。」
「反論しなくていいよ。はい、我慢。」
「我慢するから、お願い~ぃ!」
「これで、おしまいだからな。」
ものすごくディープなキスをひとつして、彰は、千秋を残して部屋を出ていった。
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