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あの日、暗い部屋の中で、
私の両親の遺体の前で
立ち尽くしていた秋
私があの部屋に足を踏み入れた瞬間、
世界は私達だけになった
この世界には、
私達の他に
誰も居ないのではないかと思った
雷が照らした秋の顔
私を見据えた、両の二重の瞳
その姿を瞳に映した瞬間から、
私の心はずっと秋に囚われていた――
その瞬間から、今日迄、
私の心には秋しか映ら無かった
自分の両親を殺した犯人を好きになるなんて
おかしいって分かっているけど、
ずっと好きだった
もう一度、秋に会えて良かった
(終り)
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