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手塚が進んで行く
と
すぐに背後に火柱が上がり姿が見えなくなった。
だが熱でぼやけて見える中、上手く行っているように見えた。
(よしよし)
心で黒瀬が必死に思う。
が、一瞬前に出るタイミングを誤り
ボッ!!
「手塚さんッ!!」
悲鳴を上げる美月。
「ッつ」
前髪が焦げた手塚。瞬時に身を反らせ難を逃れた。
が、
動揺したことでタイミングが少しずつズレ、火が足の裾に火着した。
しかし手塚はそれでも大きな動揺は見せず、全神経を冷静に抑え、タイミングをすぐに戻す。
そして手塚は記憶した通りに規律を守り、無事向こう側に辿り着いた。
「ほっ」
黒瀬から安堵が漏れた。
「次はッ?」
振り向くとリダ。
顔は緊張にこわばっている。
鐘が鳴る。
リダが進む。
上手く進んで行く。黒瀬もタイミングの穴に気づき霧谷や皆に大声で教える。
「もう1回言ってくださいッ!!」
伊中が必死に頭に入れる。
「確かに…穴がある」
霧谷が言う。
「だろっ!!?焦らなければ簡単さこんなのっ!」
黒瀬が明るく言って不安を少しでも消そうとする。
リダも無事に着いたようだ。
鐘が鳴る。
「行くぜッ!!」
山平は自分に喝を入れ、進んで行く。
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