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山平もタイミングを計らい突き進んで行く。
「大丈夫か?」
霧谷に黒瀬が声をかける。
「ぅん…」
霧谷が不安そうに呟く。
次の番を待つ坂下は身構え、必死にタイミングのシミュレーションを繰り返している。
「よっしゃ」
山平は辿り着きながら倒れ込む。
手塚が介抱する。
そして4回目の鐘が鳴る。
坂下はなかなか一歩が踏み出せずにいる。
「大丈夫です。時間はありますっ。落ち着いて」
黒瀬が励ます。
「…ん…」
坂下はまるまる1分立ち往生した挙げ句、ようやく踏み出した。
見守る一同。
「いいぞっ!!その調子だっ!!」
手塚が励ます。
坂下は10メートル付近に達した。
と
「アッーー」
よろめく坂下。
あまりの熱と緊張状態が続いたせいだ。
慌てて踏ん張り
進もうとーー
「ダメだッ!!」
黒瀬が叫ぶ。
よろめき踏ん張った2秒が全てをズラした。
横からの火をモロに受け全身に火が着く。
あまりの熱に苦痛の叫び声をあげ、スーツが焼ける。
思わず後ろに後ずさる。
「下がるなッ!!!」
手塚が叫んだが虚しく…
ボッ!!
下からの火柱を浴び絶叫する坂下。
霧谷・美月・草津は燃え盛る人間を見て悲鳴をあげる。
伊中は声にならない叫びをあげている。
坂下は皮膚を焼く容赦ない火に激しく悶え最悪の悲鳴をあげている。
そして苦しみ悶えながら通路から外れ底に落下していった。
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