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各々意識が醒めてから数分後… 「何なんだよこれッ!!一体どうなってんだァッ」 山平が吼える。 「知らないわよっ!こっちが聞きたいわよっ!」 美月が喚く。 すでに半泣きの草津。 ポールを蹴り鳴り響く金属音。 「ちきしょうがッ」 あきらめたようにリダが叫ぶ。 手塚が冷静に言う。 「恐らく…いや、間違いないがオレたちは拉致された」 「拉致っ?」 怯えたように霧谷が身を固める。 「拉致って…誰に?」 「誰だっていいッ!!」 山平が吼える。 「こんなふざけたことしやがってッ!!ただじゃおかねえッ!!」 「こんな状態でどうすんだ?」 馬鹿にしたように陣剋。 「アアッ?」 山平が睨みをきかせる。 「とりあえず落ち着こうよみんな」 伊中だ。 「そうだ。喧嘩してもしょうがない」 坂下が後を押す。 「落ち着けですって?」 美月がまた喚く。 「こんな状態で落ち着けるわけないでしょっ!!ばかじゃない!?」 「ぅ…」 美月の勢いに戸惑う伊中。 「みんなはどうしてこうなったか覚えてるか?」 黒瀬が問いかける。 「どうして…」 霧谷が呟く。 「オレは仕事の帰り道に背後から何かされた」 手塚が思い返すように言った。 「何か?」 黒瀬が聞き返す。 「ああ」 「首に鋭利な痛みを感じた。あれは間違いないが注射器だ」 「注射器…」黒瀬。 「何でそんなこと分かるんだよ」 リダが聞く。 「オレは医者だ。何百回も使ってるから分かる」 「わたしも同じだ。」 坂下が手塚を見ながら言う。 「帰宅時に襲われ、気づいたらここに…」 「私も」 霧谷も怖がりながら言う。 「学校の帰り道 誰かに追けられてるような気がして それで 怖くなって近道の公園通って抜けたあたりで…それで…」 霧谷が口を噤む。 「襲われたんだな?」 黒瀬が優しく問う。 頷く霧谷。 「じゃあ他のみんなもどこかで襲われ連れて来られた そういうことか」 「どうなるの…私達…」 霧谷が聞きたくなさそうな顔で誰にともなく聞く。 「さあな…神のみぞーーー」 その時―――― 陣剋が言い終わらないうちに ガチャン
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