ゲーム開始

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しばらく一同は呆然としていた。 その重々しい空気を破ったのは それぞれのポールが床に引き込まれる音だった。 みんな呆然としながらも鍵に近づく。 最初に鍵を後手に取ったのは手塚だ。 と、手錠が外れた。 手錠は手首をさする。 「オレにもよこせッ」 山平が怒鳴る。 「後ろを向け」 山平が後ろを向き手塚が手錠を外す。 「よっしゃ」 山平は嬉々としている。 「わたしも早くっ」 美月が催促する。 「わかってる 順番にみんな外す」 「それにしても何なんだよあいつっっ」 草津がヒステリックに叫ぶ。 「死ぬかと思った」 霧谷が心ここにあらずで呟く。 「みんな見て」 リダが鉄扉と正反対の上方に位置するモニターを指差す。 そこには数字が写っていて、残り1:58からカウントダウンされていた。 「カメラ…」 黒瀬が呟く。 (部屋の暗さのせいでカメラと画面に気付かなかったのか) 「あの野郎ォ ここ出たらボコボコてにしてやる」 山平が凄む。 「そう簡単に殺れたら苦労しねぇよ」 陣剋はやれやれといった感じで言う。 「てめぇ さっきからヤケに噛みつくじゃねえかよ やんのかこら」 陣剋の目の前で来て睨む 「喧嘩してる場合じゃないでしょ」 美月が見かねて言う。
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