第一章【夢からなる現実】

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「つまり、どういう事?」 「こっから物語が始まるみたいな感じです、はい」 夕暮れの差し込む教室。外では学生達が部活に勤しむ声が聞こえ、また顧問の怒鳴り声も聞こえる。窓は全て開け放っており、レモン色のカーテンが風に吹かれバサバサと揺れていた。そんな教室の中に、俺と一人の男子生徒と二人の女子生徒が居た。 まぁ、そう聞くと、なんだか甘い感じを想像するだろうが、中身は全く違う。それは俺の全力の自信を持って言える事だろう。 「プロローグって事?」 「そうです、はい」 今聞いてきた、窓際一番後ろの席である俺の前の席に座り、椅子の向きを後ろに変えて座ってる彼女。名前は朝野(あさの)真夜(まや)。夜を綺麗に彩る夜空の様な髪が腰元まで伸びている。一つ一つが艶やかで、女の子も羨む様な髪形をしている。 そしてその髪が引き立たせるのが、彼女のルックス。 凛とした感じを思わせる眼に、しゅっとした綺麗な鼻筋。雪の様に白い肌。紅いルージュの似合いそうな、ぷっくりとした唇。それらを纏めあげる輪郭によって出来るそれは、正しく絶世の美少女と言えるであろう。 身長も高く百七十近い。スタイルも良く、赤と黒の制服とシャツによって隠されてるそれは随分と自己主張が激しい。黒を基調とし赤いラインが入ってるスカートから伸びる、今は黒のニーハイソックスによって隠されてる脚も、かなり細くていわゆる美脚だろう。 「なんと言うか堅いですね~」 「そうでしょうか?」 今言った、真夜の隣の席に座ってる彼女。名前を美空(みそら)美月(みつき)。これまた彼女と同じ漆黒の髪色をしているが、彼女は肩のラインで切り揃えられたセミロングのストレートだ。 しかし、先程の彼女とは違う。それは彼女が小さいという事だ。全体的に。だが、それが彼女の魅力を最大限に引き立たせている。 ぱっちりとした邪気の無さそうな瞳。しゅっと綺麗な鼻筋。ぷっくりとした桜色の唇。綺麗なラインの輪郭。更に真っ白な肌。あどけなさが残るどころか、幼過ぎるその顔立ちは、完璧に絶世のロリ美少女を完成させている。
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