ドラッグパーティー

2.黒木レイカ

レイカは悩んでいた。ダイエットに失敗した事を。一時期は順調に成果が出ていたものの、少し気を緩めた途端のリバウンド。先週別れを切り出された彼氏にも言われた。

「俺は細い娘がタイプだ。」

と。別れの根本的な原因は彼氏が浮気をしていて、浮気相手の女にレイカの存在を知られた為、結果レイカは天秤にかけられ敗北したといった感じだ。元々チャラチャラとした男ではあったが、その現実には目を背け、レイカは浮気相手に負けたのはダイエットに失敗したせいだと思い込む様にしていた。痩せればまたきっと自分の元に帰ってきてもらえると。そのはかない希望に全てを委ねる事で何とか平静を保てた。実際レイカは決して太っている訳ではない。むしろ逆でスレンダーなモデル体型であった。元々細いレイカが更に今より体重を落とす事は至難の業であった。そんなところに突如舞い込んできたサプリメント。一体誰が？何の為に？このタイミングは偶然？それとも誰かの単なるいやがらせ？様々な仮説を立てては疑問系で全てに終止符を打ち、また更なる仮説を生んだ。