2.黒木レイカ

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「これって、飲んでも大丈夫なのかな?ホントに痩せられるのかな?」 物事をあまり深く考えることが苦手なレイカもさすがにこのサプリの怪しさには悩んだ。 「でも、これだけで痩せられるなら…。また、あの楽しかった生活が戻ってくるのなら…。」 レイカは小瓶の蓋を開け、まずはその白いサプリの匂いを嗅いでみた。甘い、少しフルーティーな香りがした。香りからすればラムネの様なお菓子の様にも見えた。 「なんかこれ、水なんか無くてもそのままポリポリ食べられそう。子供のころに食べたラム…ネ…みた…い…。い…や…。飲みたい。やっぱり…飲みたい!」 レイカはペットボトルの蓋を開け、はかない希望と共にその白い錠剤を飲み干した。 意識が薄れていく中、レイカの目線の先には、楽しかった頃に撮った、二人が幸せそうに写る写真立てがあった…。
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