*11* 虫唾が走る。

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柚愛 「…っは、…っは、…っはぁ……っ!?」 泣いている声を耳にして、意識を戻す。 真ん中にいた人が下を向き泣いていた。 下を向いていたため、俺が何をしたのか見ていなかったようだ。 柚愛 「……大丈夫…ですか?」 ? 「……った」 柚愛 「えっ…と、あの…?」 ? 「こわ……った!!」 そう言って抱きついてきた。 勢いがあったせいで尻餅をつく。 ? 「…ぐす。 っあり、がと…」 見てみると、外傷は無く服が裂けているだけだった。 上着を脱ぎ、肩にかける。 震えている肩を見て、迷った末に頭を撫でる事にした。 頭に手を置いた瞬間ビクッと体を強張らせたものの、撫でられているとわかったのか少し呼吸が楽になって、だんだん落ち着いてきた。 ……あ、職員室。 ま、いっか。
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