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部活が終わると、小雨が降り始めた。 グラウンドからは野球部員やサッカー部員がぱらぱらと校舎へ引きあげてくる。 私は子猫と一緒に翠くんが着替えて外へ出てくるのを待っていた。 「花菜ちゃん、待たせてごめんね」 すぐに、傘をさした翠くんが早足でこちらに向かってきた。 「先に帰ってて良かったのに。 風邪ひいちゃうよ」 私の濡れた毛先をじっと見ながら、心配そうにそう言う。 「でも、この子たちが外に飛び出して車にひかれたりしたら嫌だったから……」 「そうだよねぇ。 ごめんね、こいつらが迷惑かけて」 まるですでに子猫たちの飼い主みたいで、くすっと笑ってしまった。 「あ! 花菜ちゃん、笑ったぁ!」 「ごめん……なんかおかしくて。 やっぱり翠くん、この子たちのお母さんになってあげたら?」 「え、またそれ言う? お父さんならいいけどー」 プンプンしたふりをしながら、翠くんは子猫たちを抱き上げた。 「まぁ、そしたらお母さんは花菜ちゃんだけどね~」 ……えっ!? 思わず顔を上げると、翠くんはすでに数歩歩き出していた。 「花菜ちゃん、相合い傘して帰ろっ!!」
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