4

9/11
前へ
/65ページ
次へ
わ、私……何してるんだろ……。 一人になった部屋の中で、へたへたと机に突っ伏す。 あの事でケンカしたことをずっと気にしていたのって、もしかして私だけだったのかなぁ……? でも、メールも電話も来なかったし……。 最近、似たようなことでうまくいかないことばかりだったし……。 私の考え過ぎ、ってわけじゃないと思うんだけど……。 もんもんと悩みながら、ふと考える。 いつも、啓大くんからだから、恥ずかしいのかな……。 ーー私からしてみたら、どうだろう? 「……っ!!」 あまりにも大胆すぎる考えに、ブンブンと頭を振った。 ち、違うっ!! そ、そんなに凄いことじゃなくって……! 私からって言っても、ええと…… 例えば、腕を組んでみたり、軽く抱きついてみたり、それから…… キ、キスしてみたり……っ。 「変な顔して、何してんの?」 「きゃーーーーーっ!!!」 予想より早く啓大くんが部屋の扉を開け、私は本気で心臓が飛び出そうになるほど驚いた。 「……?」 「な、なんでも……なんでもないっ!! タ、タコの真似っ!!」 ダメだ。 キスの練習してたなんて、絶対言えない……!!
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

945人が本棚に入れています
本棚に追加