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「こっちの問題はここの公式を応用したものだから、花菜の場合こっから説明してくんでいい?」
「うん……」
色々考えながらテキパキと指示してくれる啓大くんに、頷いて返事をする。
その間にも、啓大くんのペンを持つ大きいけれどしなやかな手や、私より広い肩幅、男の子なのに色っぽい口元が気になって、チラチラと盗み見してしまった。
「じゃ、ここ、花菜はどの辺でつまずいた?」
「え、えっとね」
わ、わ……っ
返事してたくせに、ちゃんと聞いてなかった……!
わからないところはほとんど全部だから、間違ったことは言ってないけど、どうしよう……
頭がいまいち勉強モードにならなくてうまく考えられないよ……!
「花菜?」
「あ、えっとね。 ……こ、この、変な記号が何の意味なのかさっぱりで……っ」
「あー……。 それは前のページに解説してあって」
「……うん……」
ま、また呆れられてる……気がする……。
勉強でも呆れられて、二人の進展部分でも呆れられて……
私、このままじゃ啓大くんに嫌われちゃうんじゃないかな……?
ふと怖いことを想像して、心の中に何かが込み上げた。
私……駄目だ……
変わらなきゃ……
ちゃんとしなきゃ……!!
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