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アリス……? アリスって何?
白いウサギを追いかけて、不思議な国へと迷い込む。
ハートの女王と白いウサギが手を組んで、子供を不思議の国へと連れてくる。
「うさぎさーん、まってよー!」
そのとき白いウサギは、少女に見えないようニタァっと怪しく笑った。
少女は白く細い足でウサギを追いかけ続ける。
するといつの間にか不思議の国へ連れてこられてしまった……。
いや、連れてこられてしまった可哀想なアリス。
ウサギを見失い、不思議な国を彷徨う。
今にも泣き出しそうな幼いアリス。
気付くと小さな小屋の前に立っていた。
ドアを開けると、部屋の真ん中にテーブルが一つ。
テーブルの上にはパンとジャム、そしてナイフ。
ナイフをポケットに入れ、お腹が減っていたアリスはパンを食べながら国の探検を始めた。
しばらくすると、大きな紫色の猫に出会った。
「あなたはだぁれ?ここはどこなの?」
「ここは不思議の国。狂った奴等が集まる場所さ。」
アリスは、よく分からないという顔をしながら猫にお礼を言って再び歩き出した。
「ハートの女王には気を付けろ。」
猫が後ろからそう言った。
アリスは振り返ったが、猫は既にそこにはいなかった。
次はお城へ来たアリス。
ハートの女王が1人で庭の薔薇を眺めていた。
「こんにちわ、わたしはアリス。おうちにかえりたいの」
「……家には帰さない。お前は永遠にこの国で暮らすんだ!」
そういって女王はアリスに飛びかかり、首を絞めた。
まだ幼いアリスが女王に力で勝てるわけもなく、苦しみで顔が歪む。
耐えられなくなったアリスは、ポケットに入れたナイフを思い出しそのナイフで女王を刺した。
まず腕を刺し、次に怯んだ女王の喉を切り裂いた。
腹を裂き、ズタズタにする。
女王は死んだ。
大量の自分の血にまみれて。
それは、ハートの女王の名にふさわしい姿だった。
アリスは楽しかった。
最初は生きる為に刺したが、次第に楽しくて仕方なくなった。
女王は死んだ。
だから次を探しに行く。
殺しの楽しみを知って、狂ったアリスが殺しに行く。
次は……、「しろいうさぎ」
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