2話

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初めまして。 私は囚人番号640番。 ここは某県にある監獄。 収容人数はおよそ300人。 大規模なのか小規模なのか、そんなことは私には分からない。 二段ベッドが2つに、小さな机が4つ。 牢内の隅に小さなトイレが1つ。 物語に出てくるような、コンクリートの床に布を1枚ひいただけの寝床や、用をたすのはバケツなんていう場所じゃないけれど決して居心地がいい場所でもない。 牢の前には日替わりで看守が1人常に立ってる。 気付いてる人もいるかもしれないけど、この牢にいるのは私を含め4人。 全員女性。 私がここにいる理由? そんなの決まってるじゃない。 犯罪者だからここにいるのよ。 罪状は強盗でも詐欺でも、ましてや殺人なんてものでもない。 私の罪はーーーーー           生きていること。 生きていることを許されない人が集まってくる場所がここ。 どうして許されないかは、人それぞれだけど……。 私の場合は世界から拒絶されたから。 そういえば、まだ言ってなかったけどここにいるのはみんな未成年。 私は最年少の15歳。 最年長は18歳。 ちなみに、私と同じ牢に入っている子はみんな15歳。 歳上の人たちとは殆ど関わりが無いわ。 労働の時の移動、食事の時、入浴の時間に時々会ったりするくらいで会話はしない。 あの人たち、同じ環境にいるのに私たち年下のことを見下してるから気に入らないわ。 汚いものを見るような目で私たちを見て、本当に気分が悪い。 ここにいるといつか私もそうなってしまうのかしらね……。
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