Prolog

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それから数年後。子どもは*歳になる時、散歩の途中とある丘で男は言った。 「いいか?この世の中は理不尽なことばかりだ。しかしそれに押し負けてはいけない。押し返すことが大切なんだ。  たとえ嵐や業火に巻き込まれそうになったとしても、互いの持ち合わせた知恵で乗り越えてみせなさい。お前達は決して一人ではなく、寂しく孤独に産まれてきたのではないのだから。  それは誰かが望んでいる。今私がお前達に望んでいるんだ。だから泣くなとは言わない。怒るなとも言わない。決して下を向きうじうじするようなことはないように、生きていってほしい。」 そう言い男は息途絶えた。 二人の子どもの目の前には、朝日が顔を出し子の顔を明るく照らしていた。
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