3時間目ー忍耐力①

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まだ一言も話してはいなかったが、この男も体を若干だが震わせていた。 「当然だろ!俺達は被害者どうしなんだ。助け合わないでどうするんだよ!」 男は無表情のまま話を続ける。 「被害者どうしね・・・・・・まぁいいや。この授業だけはあんたに貸しを作ってやるよ。」 貸し? 「あの2人を助けたいのなら僅かだけど確率を上げる方法がある。」 !? 「な、何だよそれ!教えてくれよ!」 「あんたと残りの4人とでは決定的に違うことがあるのは分かるか?」 決定的に違うこと? 俺は頭を横に振った。 「だよな。気づいてたのならあのまま実行している。」 「だから早く教えてくれ!」 「あぁそうだな。じゃああんた今からあの2人の敵となりなよ。」 敵? 「あんたと俺達との違いは体の震え方。あんたは1人だけいまだに大して震えていない。」 言われてみれば確かにその通りだった。
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