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まだ一言も話してはいなかったが、この男も体を若干だが震わせていた。
「当然だろ!俺達は被害者どうしなんだ。助け合わないでどうするんだよ!」
男は無表情のまま話を続ける。
「被害者どうしね・・・・・・まぁいいや。この授業だけはあんたに貸しを作ってやるよ。」
貸し?
「あの2人を助けたいのなら僅かだけど確率を上げる方法がある。」
!?
「な、何だよそれ!教えてくれよ!」
「あんたと残りの4人とでは決定的に違うことがあるのは分かるか?」
決定的に違うこと?
俺は頭を横に振った。
「だよな。気づいてたのならあのまま実行している。」
「だから早く教えてくれ!」
「あぁそうだな。じゃああんた今からあの2人の敵となりなよ。」
敵?
「あんたと俺達との違いは体の震え方。あんたは1人だけいまだに大して震えていない。」
言われてみれば確かにその通りだった。
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