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華凛と無表情の男はすでに上がり始めている。俺と残りの2人も一目散にプールから上がる。
喧嘩をしてて時間を忘れていた。
・・・・・・そうか意識を寒さから変えていたから耐えれたんだ。
冷たいのに我慢し続けていればおそらく、意識が遠のいてしまう可能性がある。
限界を自分で決め付けてあきらめてしまうってことだ。
それすら意識させないように俺が悪役になって2人を怒らせていたって事か。
「みんなよく頑張ったね。先生のところから5人も残れるなんて思ってなかったよ。」
果穂はまだ陽気に話している。
プールから上がったのはいいけど風が冷たくてまだまだ寒い。
「じゃあ4時間目が始まる前にシャワーを浴びて着替えて教室に戻っておいてね。先生は本部に伝えてくるから。」
そう言って果穂は俺たちより先にプールサイドから姿を消した。
俺達も兵隊に連れて行かれるままにプールサイドから出てシャワー室に向かった。
「はぁはぁ・・・・・・何とか生き残れた・・・・・・あんたのおかげだ。ってあんたの名前聞いてもいいか?」
俺は無表情な男に名前を尋ねた。
「柴田剛・・・・・・真斗だったな。これで貸し1つだからな。」
そう言って剛はシャワー室の中に入って行った。
「華凛、お前にも礼を言わなきゃ。助かったよ。」
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