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舞台の真ん中にその女性が立つと、いきなり、舞台の前に大きな鉄格子が出来て、そこに近づけなくなった。
その状況に私を含め、周りの人達は騒ぐのを止めて、注目した。
女性はマイクを持ち口を開いた。
「おはようございます。みなさん、お目覚め気分はいかがですか?」
その女性はスーツを来ており、その上に白衣のような物をを纏っている。
「初めまして。私の名前は福城果穂と言います。今日一日のみなさんの担任をさせてもらいます。みんな気軽に果穂先生って呼んでね。」
果穂はそう言って明るいというか、少しふざけた態度で私達に自己紹介をした。
担任?
何の話しなの?
「って言っても、皆さんはまだ何も理解できていないと思いますので、今からのホームルームで今日一日の流れを説明するね~」
周りの人間で誰も果穂に対して話しかける者はいなかった。
それだけ自分の置かれている状況を知りたいんだろう。
私だってそうだ。
「え~っと、皆さん周りの人を見渡して下さい。ここには男女合わせた50人の生徒がいます。」
果穂に言われるがままに私達は周りをキョロキョロと見渡す。
「ここにいるのは15歳~19歳のわか~い未成年の人達ばかりです。」
確かにそれくらいの年齢だとは何となく分かる。
「知らない顔がほとんどでしょう?それは当然。あなた達は選ばれた存在なんだからね。」
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